今年の2月に大阪ミナミエリアにビジネスホテルをオープンさせた。新築物件では2施設目となる。MC契約の案件でオーナー企業は不動産業である。約5年前から話を進めていたがコロナ禍に襲われ中断を余儀なくされた。オープンから半年間はスタートアップ期間としてオーナー側の負担が多い契約に、半年後からは賃貸借に近い契約となる。コロナ禍が明けてインバウンドが戻って来て、大変な賑わいの中、期待されてのオープンである。オープン前からオーナーと紆余曲折有ったが無事オープンすることが出来た。
今後の課題としては他のホテルとの違いを打ち出し差別化を図り、単価をいかに上げていくことができるか、人手不足に対応し、オペレーションの効率化、省人化を図っていくこと等である。
ホテルのハードとしては最低限必要なものが揃うレベルであるがホテルに特徴を持たせ、お客様に喜んでもらい、リピートしてもらうホテルを目指していきたい。またこれを機にノウハウの蓄積、財務の強化を図っていかなければならないと考える。
今回はビジネスホテルの開業を運営会社の経営層からの視点で考えたい。
ビジネスホテル開業における経営者の視点と成功への道
ビジネスホテルの開業は、単なる施設の運営にとどまらず、戦略的な思考と日々の細やかな対応が求められる仕事です。経営者として最初に感じるのは、競争が激しい業界で差別化を図りながら、ターゲットとなる顧客層のニーズに応える重要性である。
1. ターゲット層の明確化
最初に考えたのは、どのような顧客をターゲットにするかということです。ビジネスホテルは主に出張や観光で訪れる客層を対象としているが、私たちが注力したのは「ビジネスパーソン」や「インバウンド」。特に、出張で訪れる企業の従業員やインバウンド客の長期滞在のニーズに応えることを重視する。
2. サービスと設備の充実
客室の設備はもちろん、館内施設にも工夫を凝らしていく。例えば、ビジネスマンのニーズに合わせた快適なワークスペースや、高速Wi-Fiの完備、24時間対応のコインランドリーなど、長期間滞在しても不便を感じさせないようにする。
また、最近ではビジネスホテルでも「朝食」を重視するトレンドがあり、地元の特徴のあるメニューの朝食を手軽に素早く提供することで、滞在中の満足度を高める。
3. スタッフの教育とホスピタリティ
ホテルの成功には、スタッフの質が大きく影響する。フレンドリーで親切な接客はもちろんですが、ビジネスパーソン向けには「効率的で迅速な対応」が求められるため、スタッフには常に柔軟性と迅速な対応能力を求めてる。チェックイン・チェックアウトの時間を短縮し、客室内での対応も最小限で済むよう心がける。
4. テクノロジーの活用
最近では、デジタル化が進んでおり、例えばモバイルチェックインやAIを活用したサービスを導入検討していく。これにより、顧客はチェックインの際に長時間並ぶことなくスムーズに部屋へ入ることができ、スタッフの負担も軽減される。また、館内全体のセキュリティや清掃管理にもテクノロジーを駆使していく。
5. 競合との差別化
競争が激しい市場では、いかに差別化を図るかがカギとなります。立地だけではなく、独自の価値を提供することを心掛けていきたい。例えば、地域の歴史を踏まえた催事や地元とのコラボレーションによるイベントの開催や、地域密着型のサービスを提供することにより、他のビジネスホテルとの差別化を実現していきます。
6. 利益の管理と再投資
重要なのは、収益の安定性を確保することだ。初期投資の回収を見据えた財務計画を立て、適切な料金設定と販促活動を行いながら、収益を最大化する。その一方で、収益の一部を施設のメンテナンスやサービス向上に再投資し、長期的な成長を目指していきたい。
ビジネスホテル経営は決して簡単なものでは無いが、戦略的なアプローチと日々の努力が積み重なることで、安定した運営と顧客満足の向上が実現でると考える。常に市場の動向を見据え、柔軟に対応していくことが求められる。
コメント