最近、ホテルのフロント現場で起こったハレーションについて考えたい。
中途採用した社員が入社10日経過後の自身の休みにホテルの代表メールに会社批判のメールを送信、併せて責任者に直接電話で追求し罵声を浴びせてくる。勤務時とは全く別人のような行動を取ってきた。本人の主張は①いきなり夜勤に入れらた②OJTだけでOFFJTがや研修がない③休憩がまともに取れない④少ない人数でのシフトになっているが人手不足と言うことは全く聞いてなかった、ということだった。
批判メールと罵声の裏側
【現場側の課題】
- 慣れないうちから夜勤シフトに入れた
- 休憩がまとまって取れない勤務体制
- OJTのみで体系的なOFF-JTがない
- 当社は少人数でのオペレーションが伝わっていなかった
【本人の行動】
- シフト休みの日に、ホテル代表メールへ会社批判のメールを送信
- 現場責任者へ直接電話
- 電話口で責任者を強く追及し、罵声を浴びせた
ここで問うべきは二つである。
- 運営上の問題はなかったか
- 行為として許容できる範囲か
どちらか一方ではなく、両方を同時に見る必要がある。
①夜勤投入の設計は適切だったか
ホテルの夜勤は、単なる時間帯の違いではない。
- 判断の単独性
- トラブル発生率の高さ
- 金銭管理の責任
- 精神的孤立
慣れない段階での夜勤投入は、
不安を増幅させる可能性が高い。
「人が足りない」は理由にはなるが、正当化にはならない。これは運営設計の課題である。
②休憩が取れない構造
休憩が“まとまって”取れないことは、慢性的ストレスを生む。
ホテル業は波動がある。しかし波動があるからこそ、設計が必要だ。
- 交代制ルール
- 応援ルール
- 繁忙予測に基づく配置
これがなければ、現場は疲弊する。これも運営側の責任範囲である。
③OJTのみという育成不足
「見て覚える」は、文化伝承の方法であって、教育設計ではない。
OFF-JTがないということは、
- 判断基準が言語化されていない
- 理念が体系化されていない
- トラブル対応の共通認識がない
ということを意味する。これは組織の未整備の問題だ。
④当社の少人数でのオペレーションが伝わってなかった
当社では通常フロントは常時2人体制でシフト組をする。当該社員の前の職場では常時3人以上でシフト組をしていたとのこと、ホテルの規模、システム、オペレーションにもよるが当社では2人が適正人数と判断している。無理な人員体制では無いと考えている。他社から来た社員に前職での人員体制などを確認して、当社での体制を説明することが必要では無かったか?
⑤しかし、行為は別問題である
一方で、
- 休日に代表メールへ批判文を送る
- 責任者へ直接電話
- 罵声を浴びせる
これは明確に越境行為である。
不満があることと、攻撃的に伝えることは別である。
組織に課題があったとしても、暴力的コミュニケーションは正当化されない。
ここは線引きが必要だ。どちらかに寄せると、組織は歪む。
今後の対策
① 夜勤投入の段階ルール化
- 単独夜勤はチェックリスト合格後のみ
- 夜勤前にロールプレイ必須
② OFF-JT導入
- 入社1ヶ月以内に3回実施
- 理念・判断基準・クレーム事例を明文化
③ 休憩保証ルール
- 休憩取得義務の見える化
- 取得不可時の代替補償ルール
④ 当社人員体制の説明
前職の人員体制を確認し、当社の人員体制を説明し理解を得ることが必要。
⑤ コミュニケーション規律の明文化
- 休日の業務連絡ルール
- 苦情申立てフローの明確化
- ハラスメント行為の定義と指導
最大の教訓
組織が未整備だと、不安が生まれる。不安が蓄積すると、不満になる。不満が爆発すると、攻撃になる。
だが、攻撃を受け入れることは組織の優しさではない。
構造は改善する。
行為は許容しない。
この両立が、運営責任者の覚悟だと考える。

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