最近の内定辞退の事例
最近、採用内定を出したが、いろいろやり取りの末、内定辞退となる事例があった。
これを機に内定辞退について考えたい。
今回、経理業務を補助するパート社員を募集した。かなり、いい感じの方だったので採用決定した。
いつから来れるかということで現職に確認後返事をもらったがすぐには勤務不可能で約1ヶ月後が最短で最初は現職と兼務の為、元々週3回で応募したが、週1回になるが大丈夫かとのことだった。面接によりかなり能力が高いとの認識だったため、来てくれるなら止むを得ないと思って承諾した。
内定から約1ヶ月空いた為、勤務開始予定10日前に勤務開始日確認の連絡をする。現職場から引き止めに合い、勤務開始日が見通せないため辞退したほうがいいと考えているとメールが入る。
人手不足で直ちに業務が回らなくなるわけでは無いことと能力を見込んで是非入社して欲しいこともあり、是非入社してほしいことと入社日は再度相談に応じる旨、連絡した。
再度現勤務先に確認するので週末まで待ってほしいとの事だった。
その後、現勤務先に確認したところ、業務が繁忙で引き留めに会い、見通しがつかないで一旦辞退し、見通しがついた時点で空きがあれば再度応募するとのことだった。
内定者の心理状態
採用内定を受けたものの、現職から引き止めにあった場合、内定者の心理状態は複雑になるだろう。「本当に転職すべきなのか?」という迷いが生じる。現職に対する愛着や恩義を感じ、「このまま残る方がよいのでは」と思い始める。 新しい環境に対する不安と、現職にとどまる安心感を天秤にかける。現職の上司や同僚から「君がいなくなると困る」と言われると、申し訳ない気持ちになる。 一方で内定先に対しても「せっかく採用してもらったのに辞退するのは申し訳ない」と感じる。いろいろ考えると 今まで当たり前だと思っていた職場の良さを再認識することがある(給与、待遇、人間関係など)。 逆に「今さら評価してくるのはなぜ?」と疑問を持つ場合も。その後、内定先との比較を始める。現職の引き止め条件(昇給やポジション変更など)と、内定先の条件を比較し始める。短期的なメリット(現職の昇給・ポジションアップ) vs長期的な成長機会(新しい環境での挑戦)を考える。また、 プレッシャーとストレス どちらを選んでも、周囲の反応や今後のキャリアに影響があるため、強いプレッシャーを感じる。 特に、現職の上司や先輩からの引き止めが強いと、精神的に追い詰められることも。最終的な選択のポイントとしてはこのような心理状態の中で、内定者は 「どちらが自分のキャリアにとってベストなのか」 を慎重に判断する必要があります。
肝心なことは
・現職に残る場合、その決断に後悔しないか?
・内定先を辞退することで、今後の転職市場での評価に影響はないか?
・感情ではなく、長期的な視点 でどちらが良い選択なのか?
内定辞退を考えている内定者がいた場合、こうした心理を理解しながら、「なぜ転職しようと思ったのか?」を再確認することが大切 です。
辞退された会社の立場でどのようにすべきか
内定辞退された会社の立場としては、単なる「残念な結果」として終わらせるのではなく、今後の採用活動や企業の魅力向上に活かすことが重要です。以下のような対応を検討すると、会社のブランドや採用力の向上につながります。
1. 冷静かつ丁寧な対応をする
・内定辞退を伝えられた際に、感情的になったり、強く引き止めたりするのは逆効果。「ご決断を尊重します。お話をいただきありがとうございます」と、ポジティブかつ丁寧に対応する。企業のイメージを守ることで、辞退者が将来また応募してくる可能性を残せる。
2. 辞退の理由をヒアリングする。今後の参考にしたいので、辞退の理由をお聞かせいただけますか?」と、柔らかく聞く。現職の引き止め内容や、内定者が不安に感じた点を知ることで、今後の改善につなげる。ただし、圧迫感を与えないように配慮し、あくまで「今後の参考のため」と伝える。
3. 採用プロセスを見直す
辞退理由の傾向を分析し、オファー内容や選考プロセスの改善 を検討する。
例えば:
給与・待遇が引き止めの条件に負けている → 市場水準を見直す
企業文化や将来性に不安を感じた → 入社前の情報提供を充実させる
意思決定までのサポート不足 → 現職との交渉に備えてアドバイスを行う
4. タレントプールとして関係を維持
縁が切れるのではなく、将来の採用につなげる意識を持つ。
「またご縁があればぜひお話ししたい」と伝え、ポジティブな印象を残す。
LinkedInなどでつながりを維持し、将来的にアプローチできるようにする。
5. 採用マーケティングの強化
企業の魅力をより明確に伝え、内定者が最後まで迷わないような情報提供を強化する。
社員のキャリア事例、社内の雰囲気、成長機会などをもっと発信する。
内定受諾後も定期的なフォローを行い、「入社後のイメージ」をしっかり持たせる。
最後に
「辞退は完全に防げるものではない」 という前提を持ちつつ、辞退の理由を分析し、採用プロセスや企業の魅力を高めることが重要です。
特に、辞退者との関係を悪化させず、将来の採用チャンスを残す対応が、長期的に企業の成長につながります。
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